スムーズな相続と、穏やかな老後のためにも必要。マンションでの生前整理

スムーズな相続と、穏やかな老後のためにも必要。マンションでの生前整理

こんにちは、マリモコミュニティがお届けするマンション管理コラムです。
今回はマンション入居者の方へ、マンション暮らしに関する情報をお届けします。
人が他界した時は、相続および不要品の処分のために「遺品整理」を行う必要があります。これはとても大変な作業なので、生前に自分の持ち物を整理しておくことで、遺族の負担を減らす活動が行われるようになりました。それが「生前整理」です。ここでは、マンションでの生前整理の知識を紹介します。

マンションでの生前整理1:少しずつでも進めることが大切

【住民の声】
私は今年で70歳、子供たちの一家とは離れて1LDKで一人暮らしをしています。先日、雑誌の特集で生前整理の必要性が説かれていましたが、遺品整理はそんなに大変なものなのでしょうか? みんなでやれば、それほど時間はかからないと思うのですが。

【お悩み解決のポイント】
遺品整理は、ただ持ち物を捨てるだけの作業ではありません。預金通帳や現金、有価証券など、相続に関わるものはすべて探し出す必要があります。そのため、部屋のすみずみまで丁寧に調べなければならず、想像以上に時間と根気のいる仕事なのです。
また、マンションが子や親族の家と離れている場合、遺品整理のためにわざわざ通わなくてはならないことになります。遺品整理は1日で終わらないことも多く、何度も集合をかけるのは大きな負担となるでしょう。遺族の負担を減らすためにも、不用品を少しずつ処分したり、貴重品の保管場所を決めておいたりするのがおすすめです。

マンションでの生前整理2:部屋の相続についても相談しておく

【住民の声】
最近、分譲マンションで空き家が増えているという話を聞きました。賃貸ならともかく、せっかく購入したマンションの部屋を放置してしまう人がそんなにいるのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
分譲マンションは賃貸マンションと異なり、部屋自体が個人の財産です。つまり、区分所有者が亡くなった時には、部屋も相続しなければなりません。しかし、相続人がマンションを必要としておらず、そのまま空き家になってしまうケースも増えています。事実として、日本全体の空き家の半数以上が集合住宅なのです。
一戸建てと違い、更地にして土地だけ保有するという方法も使えませんから、死後に部屋をどうするかは早めに決めておく必要があります。これもまた、マンションでの生前整理の一環といえるでしょう。「部屋を相続するのか、売りに出すのか」「賃貸物件に引っ越すのか、子供と同居するのか」といったことを、まだ元気なうちに相談してください。

マンションでの生前整理3:管理組合でも生前整理を推奨しよう

【管理組合の声】
先日、ある区分所有者さんが他界されたのですが、部屋がゴミ屋敷になっていたそうです。しかも、息子さんには部屋を相続する気がなく、扱いに困り果てていると聞きました。同じようなことが他の部屋でも発生するのを防ぐには、どうすればいいでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
生前整理に関する資料を配布したり、専門家を招いて講習会を行ったりするのはいかがでしょうか。一人暮らしの高齢者世帯はもちろん、二世代三世代で同居している家庭も巻き込んで議論を深めれば、生前整理に興味を持ってもらいやすくなります。ゴミ屋敷や孤独死、空き家などの問題を防ぐためにも、管理組合が主体となって積極的に活動してみてはいかがでしょうか。

まとめ:元気なうちから生前整理を始めてみよう

高齢化が進む日本では、生前整理の必要性も年々高まっています。遺族に負担をかけず、穏やかな老後を過ごすためにも、マンションでの生前整理を検討してみましょう。

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