火災はいつ起きるかわからない。マンションの防火の知識

火災はいつ起きるかわからない。マンションの防火の知識

こんにちは、マリモコミュニティがお届けするマンション管理コラムです。
大勢の人が暮らすマンションでは、火災が発生すると甚大な被害が出るおそれがあります。火災の発生を防ぎ、被害を最小限に食い止めるためにも、設備の点検や防火訓練などを行わなければなりません。今回は、マンションの防火の知識を紹介します。

マンションの防火の知識1:防火管理者の選任

【管理組合の声】
これまで防火管理者を務められていた方が、急に引っ越すことになってしまいました。新たな防火管理者を選任しなければならないのですが、前回どうやって決めたのか誰も覚えていないとのこと。防火管理者はどのように選ぶが適切なのでしょうか。そもそも、必ずいなければならないものなのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
居住者の人数や延べ床面積などで一定の基準を満たすマンションは、防火管理者を置かなければなりません。防火管理者は、消防計画の作成や防火訓練の中心になる重要な立場で、2日間の講習を受ける必要があります。まずはマンション全体に募集をかけるのが望ましいでしょう。なお、マンションの防火の最終責任者は理事長です。何でも防火管理者に任せるのではなく、理事会全体で防火について考え、防火管理者をサポートしてください。

マンションの防火の知識2:防災訓練の実施

【住民の声】
初めてマンションの防火管理者になったため、防災訓練の計画を立てることになりました。しかし、私たちの管理組合は管理会社への委託はしておらず、前の防火管理者は引越されたため、過去のデータがまったくない状態です。どうすればいいでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
まずは、お近くの消防署に防火訓練への協力を依頼してみましょう。訓練の内容や用意すべきもの、役割分担などについて、詳しく相談に乗ってくれるはずです。実際に消防団員の方に来ていただき、消火器の使い方のレクチャーや煙体験などを行うこともできます。居住者が参加したくなるような内容をいろいろ考えてみてください。

マンションの防火の知識3:消火器の交換

【管理組合の声】
消火器の耐用年数は10年という話を聞き、当マンションに設置されている消火器を調べたところ、来年10年目を迎えることがわかりました。一度も使用したことはなく、外見上の問題も発生していないようなのですが、それでも交換しなければならないのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
消火器の耐用年数は各消火器メーカーが設計上の耐用年数を定めています。ですので、その消火器の耐用年数が10年と定められているのであれば、新しい消火器に交換されることをお勧めします。ただし、必ず交換しなければならないというわけではありません。なお、10年を過ぎた上で腐食などの問題が発生している場合は、耐圧性能試験を行う必要があります。この試験にもそれなりの費用がかかるため、試験費用との比較から10年を過ぎたら交換するというスタンスのマンションが多いのも確かです。どうするのが適切なのか、専門会社に相談し、理事会の議題としてみてはいかがでしょうか。

まとめ:居住者が一体となって防火に取り組もう

火災はいつ発生するかわからないものです。ちょっとした火の不始末が大規模な火災を招くこともあるので、各居住者は火の扱いに十分気を付け、防火訓練などにも積極的に参加するようにしましょう。

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