どこまでが共用部分なの? マンションのドア・窓の修繕

どこまでが共用部分なの? マンションのドア・窓の修繕

こんにちは、マリモコミュニティがお届けするマンション管理コラムです。
マンションの部屋の中は専有部分のため、修繕やリフォームは管理規約に抵触しない範囲にてご自身で行うことができます。しかし、壁や柱、ドアや窓といった境目部分には、細かいルールがあることをご存知でしょうか。今回は、その中からマンションのドアや窓の修繕に関する知識を紹介します。

マンションのドア・窓の修繕1:窓のサッシ

【住民の声】
今年初めて管理組合の理事になり、大規模修繕の計画に目を通したところ、窓のサッシは必要に応じて居住者負担で交換することになっていました。外壁は共用部分なのに、窓のサッシは専有部分として扱われてしまうのでしょうか?

【お悩み解決のポイント】
まずは管理規約を確認する必要がありますが、国土交通省が公表する「マンション標準管理規約」では、窓のサッシや窓ガラスは共用部分となっています。したがって、その場合の修繕の費用は管理組合が負担することになります。大規模修繕が目前に迫っており、追加での費用の捻出が難しい場合は、一時金を徴収して区分所有者に費用を負担してもらわなければならないことや、借入れ等について検討していかなければなりません。修繕が必要な部屋の居住者と、早急に相談するべきでしょう。逆に言えば、窓のリフォームは勝手に行えないということでもあります。普段自由に開け閉めしている部分だけに、専有部分だと誤解されがちなので、掲示板などで周知しておいてもいいかもしれません。

マンションの部屋の修繕2:窓の戸車

【住民の声】
最近、窓がうまく動かなくなりました。どうやら戸車が壊れてしまっているようです。窓は共用部分だと聞いたのですが、管理組合の負担で修繕してもらえるのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
管理規約で管理組合負担と定められている場合を除き、一般的に共用部分を専用使用している場合で、通常の使用に伴う修繕費用は、その使用者が負担することになっています。その為、戸車の修理は一般的に居住者負担となります。戸車は消耗品なので経年劣化は避けられず、部屋ごとに消耗の度合いも異なるからです。なお、通常の使用に伴う消耗も管理組合で取り扱うことは可能です。今回の戸車も共用部分として扱うよう管理組合に要望を出してみましょう。

マンションの部屋の修繕3:鍵の閉まりにくいドア

【住民の声】
最近、玄関ドアの鍵が閉まりにくくなりました。微妙に調整してちょうどいい位置に合わせなければ、鍵が回らないのです。これは私の責任で修繕しなければならないのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
何が原因でドアが閉まりにくくなっているのかがポイントです。マンション標準管理規約に、玄関ドアは錠および内部塗装部分が専有部分とされています。そのため、鍵の交換やリフォームは自由に行えるのですが、不具合のある時も居住者の責任で修繕しなければならないのです。今回のケースのでも、原因が鍵や内部塗装部分ににあるなら居住者の負担、それ以外の部分にあるなら管理組合の負担で修理することになるでしょう。ドアの修繕は足場を組む必要がないため、大規模修繕にあわせて行う必要もなく、比較的修繕しやすい部分です。部屋の出入りにも差し支えるでしょうから、早めに修繕を検討しましょう。

まとめ:共用部分と専有部分の境目を確認しておこう

共用部分と専有部分の境目は、管理規約によって変えることもできるため、マンションによって微妙な違いがあります。修繕費の負担にも関わることですから、普段から興味を持って確認しておくといいでしょう。

コラム一覧