ここは誰の責任で直すべき? マンションの修繕の知識

ここは誰の責任で直すべき? マンションの修繕の知識

こんにちは、マリモコミュニティがお届けするマンション管理コラムです。
新築時はピカピカだったマンションも、年月が経てばさまざまな部分が劣化してきます。多くのマンションでは大規模修繕の計画を立てていますが、日常的な小さな修繕も行わなければなりません。今回は、マンションの修繕について考えてみましょう。

マンションの修繕の知識1:外壁の破損はいつ修繕すべき?

【住民の声】
マンションの外壁に亀裂が入っていたため、すぐに修繕すべきではないかと管理組合に報告しました。しかし、2年後に大規模修繕が迫っているため、その時で十分だろうと言われてしまったのです。確かにまとめて修繕した方が効率はよさそうですが、これでいいのでしょうか?

【お悩み対応のポイント】
外壁が劣化していると、その隙間から外気や雨水が入り込み、内部の鉄筋を錆びさせてしまう可能性があります。そうなればより劣化が進んでしまい、予定よりも大掛かりな修繕を余儀なくされるかもしれません。また、外壁が剥落する事故も度々発生しているため、安全性の面でも問題があります。もし外壁に亀裂が見つかったら、小さなものであったとしても放置せず、どのような対応が適切か検討するのが望ましいでしょう。応急処置だけでも行うのはもちろん、剥落の危険があるのならば、居住者が近寄らないようカラーコーンなどを設置するのがおすすめです。

マンションの修繕の知識2:関係ない場所でも修繕費を負担すべき?

【住民の声】
先日、マンションの階段に亀裂が入っているのが見つかり、修繕することになったそうです。しかし、破損箇所が見つかったのはB棟で、A棟に住む私にとっては関係ありません。管理費から修繕費を捻出するのではなく、B棟の居住者がお金を出して修繕すべきだと思うのですが、どうでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
会計が棟別に分かれているのであれば、その棟が支出して直すべきでしょう。会計が分かれていなければ、区別なく管理費から修繕費を捻出することになります。自分が住む棟が破損した時も、他の棟の居住者が出した管理費で修繕できるのですから、お互い様と考えてみてはどうでしょうか。

マンションの修繕の知識3:隔て板の修繕費は誰が負担すべき?

【住民の声】
先日、バルコニーの隔て板をうっかり壊してしまいました。お隣さんからは「あなたが壊したのだから、あなたのお金で修繕すべき」と言われています。管理費から修繕費を捻出してもらうわけにはいかないでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
「隔て板は誰の所有物なのか」という点についてはいくつかの限界がありますが、一般的にはマンションの共有物だとされています。緊急時に破って逃げたのであれば、破った人には破損の責任はありませんから、その修繕費は管理費から捻出されるべきでしょう。しかし、故意または過失で破損したのであれば話が違ってきます。破るべきではない状況で、マンションの共有物を破損しているからです。壊した人が修繕費を出さなければならない可能性が高いので、管理組合に相談してみてください。

まとめ:破損箇所の報告は速やかに行おう

絶対に劣化しないマンションというものはありえないので、過失であれ経年劣化であれ、破損した場所は修繕する必要があります。大きな事故につながることもありますから、破損箇所を見つけたら管理会社や管理組合に連絡しましょう。

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