いざという時に備えよう。マンションの災害対策

いざという時に備えよう。マンションの災害対策

こんにちは、マリモコミュニティがお届けするマンション管理コラムです。
日本は災害の多い国です。
マンションにおいては、居住者と管理会社が一体となって、防災に取り組まなければなりません。
ここでは、マンションの災害対策について考えてみましょう。

マンションの災害対策1:災害に強いマンションとは?

【住民のお悩み】
私の住むマンションはかなり古く、地震が来た時のことを考えると不安なので、引っ越しを考えています。
地震に強いマンションは、どのように見分ければいいでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
マンションの地震に対する強さは、さまざまな点から判断できます。
主なポイントを紹介しましょう。

耐震等級

建物の地震に対する耐久力は、耐震等級というランクによって表されます。
建築基準法の基準を満たせば耐震等級1、その1.25倍の強度があれば耐震等級2、1.5倍なら耐震等級3です。
耐震等級2以上のマンションは少なく、あったとしても価格もが高めですが、安全を重視するなら選択する価値はあるでしょう。

ドアの隙間

地震発生時にドアが歪んでしまい、脱出できなくなる事態は珍しくありません。
最近のマンションではこのような事態を防ぐために、本体と周囲の枠にわずかな隙間を持たせています。
よく観察してみましょう。

1階の構造

マンションの1階に壁を作らず、柱のみで支えている構造を「ピロティ」といいます。
デザイン性に優れていて風通しもよく、駐車場などに利用できるのがメリットですが、壁で支えていない分耐久力が落ちるのは否めません。
あくまでも重要なのは耐震等級なのですが、外見で素早く判別したい場合は、1階の構造にも目を向けてみてください。

エキスパンションジョイント

マンションの棟のつなぎ目にあえて隙間を作り、金属板で蓋をした構造を「エキスパンションジョイント」といいます。
このような構造にすると、地震のエネルギーの逃げ道が生まれるため、マンションの倒壊を防げるのです。
熊本地震では、実際にこの構造が役立ちました。
内覧の際などに、エキスパンションジョイントがあるか確認してみてください。

マンションの災害対策2:被災後の生活場所

【住民のお悩み】
我が家でも地震が来た時に備えて、防災用品の備蓄を始めようと話し合っています。
しかし息子は「すぐそばに小学校があるんだから、そこに避難すればいいじゃない」というのです。

確かに、何かあった時は小学校が避難所になりますし、我が家は2階ですから脱出不能になることもないでしょう。このような状態でも、やはり防災用品の備蓄は必要なのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】
災害が発生したからといって、全員が避難所生活を送るわけではありません。
家に倒壊などの危険がなければ、片付けた上で生活するという選択肢もあります。
特に最近建てられたマンションは、最新の耐震設備を導入していることも多いので、被災しても生活を続けられる可能性は十分にあるのです。
避難所では多くの人が集まって暮らしており、生活の不自由さゆえに震災関連死も発生してしまいます。
状況にもよりますが、たとえライフラインが寸断されていたとしても、自宅に残った方がいいケースは考えられるでしょう。
「避難所があるから大丈夫」と油断せず、災害に備えてください。

マンションの災害対策3:安否確認の重要性

【管理会社のお悩み】
当マンションでも、災害対策マニュアルを作成することになりました。避難経路の確保や防災用品の備蓄など、一般的な対策はすべて行う予定ですが、見落としがちな点があれば教えてください。

【お悩み解決のポイント】
災害発生時に管理会社が最も苦労するのは、実は居住者の安否確認です。
被災している状況下で、部屋を1つ1つ確認して回るのは簡単なことではありません。
その間にも、助けを求めている人がいるかもしれないのです。
そこで、居住者に安否表示用のマグネットシートを配布してみましょう。
「無事です」「助けてください」などと書かれたマグネットシートを、状況に応じてドアに貼れば、その部屋がどういう状況なのか一目で判断できます。
無事な時は青、助けが必要な時は赤の布をドアノブに巻きつけるといったルールを決めておくのも有効です。

まとめ:マンションでも、災害への備えは大切

災害はいつやってくるかわからないため、普段から対策をしておくことが大切です。
家具の固定や避難経路の確認など、簡単にできることから始めてみましょう。

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